神のスイッチ3【砂の王国・ゴールド】

砂の王国 /元最高司令の逝去

捕虜の交換から暫くが経ち、ネロもやっと落ち着いた頃、ガイアの知らぬところでとんでもない話が進んでいた。
それは、メビウスの発電所が爆破されてから明らかになる。
まだ薄暗い早朝、ドーガンJrがガイアの部屋に直撃した。
ドーガンJr「さ、最高司令!大変です!作戦Bが勝手に強行されました!」
作戦Bとは、メビウスの発電所を爆破するプロジェクトの事。しかしそれはまだガイアが容認していないものだった。
戦争と言えど、メビウスに無差別に毒を盛る様な姑息な手には賛成できず、その作戦は見送ったはずだった。

こんなの、枯れ葉剤をまくのとやっているのは同じじゃないか。
一体、誰が?
何の為に?

ガイアは慌てて部屋を飛び出し、要塞の見張り台からメビウス方向に向かって双眼鏡を覗くと、天高く煙が上がっているのが見えた。
ガイア「これは……多くのメビウスが命を落とすだろう」

しかもその殆どが民間人だ。

メビウスはレジスタンスからなる軍人上位の軍人国家。優良電池を付けられるのも軍人なら、バッテリーを優先されるのも軍人だ。
ガイアは、敵対しているのにも関わらず、無関係な民間人が巻き添えになる事に胸を痛める。
たとえエデンが真人間で、発電所の爆破が直接彼女に影響しなかったとしても、エデンの大事な人を死なせてしまう後ろめたさがあった。
ドーガンJr「……」
ドーガンJrはガイアの後方で、複雑な気持ちで控えている。

もし、発電所が復旧しなければ、父さんはのたれ死ぬ。
そうしたら、僕が直接手を下さなくても、父さんは土に還ってくれる。
でも……
父さんは既に死んで、人殺しのマシンに作り替えられてしまったというのに、なんでこんな……

ドーガンJrはガイアに背を向けて人知れず涙を堪えた。

二度も父親の死を受け入れなければならないなんて、こんな世の中、クソだ。


0
  • しおりをはさむ
  • 2
  • 45
/ 118ページ
このページを編集する