神のスイッチ3【砂の王国・ゴールド】

砂の王国 /メビウスの恋人

オベロンや父親の死、恋人との決別と、さすがのガイアもめっきり気が滅入っていた。
そんな時、ドーガンJrがミクスのバーへ行く事を提案する。
ガイアはあまり乗り気ではなかったが、せっかくのドーガンJrの申し出を断るのも悪くて、言われるまま彼の運転する車に乗った。

ミクスへ着くと、いい感じに日も沈み、両国の大人達が大勢街に繰り出していた。
ガイアは行きつけの落ち着いた店に入り、銃を預けると、一番目立たない最奥の隅に席を取る。
強めの酒を注文し、チビチビやりながら改めて周りに目をやると、なるほど、ほぼカップルしかいない。
客の入りは六割、その殆どがカップルで、残りのシングルは年季の入ったおじさんばかり。
薄暗いおかげで悪目立ちこそしないが、寂しさは倍増だった。
辛い時、好きな人にそばにいてほしいと思うのは自然な事。
イチャイチャする彼らを見ていると、勝手にため息が漏れた。

このカップル達は皆同族同士なんだろうか?

ふと、カップル達を見ていて思った。
白装束はニトロ。スーツはメビウス。民族衣装でもないが、何となくそんな決まりがあり、自国では各々その様な格好をするが、ミクスにおいてはそんな取り決めは守る必要はない。よって、飲みに来ている客は、ミクスの風土に合ったオシャレをきめて来ている。
男ならスラックスにワイシャツだったり、女ならあまり気張り過ぎない程度のドレスだったり、好きな装いをしている。
そもそも例え自由の国ミクスと言えど、堂々とニトロとメビウスが仲良くするのは体裁が悪くて憚られたのだ。
そんな事もあり、ここでは誰がニトロとかメビウスとか、真人間、電池人間かなんて、外観からは識別出来なかった。

こうしていると、電池が開発される前の世界みたいだな。

かくいうガイアも、シャツにベストという私服で来ていた。

ミクスでなら、ニトロとかメビウスとか関係なく、エデンと一緒にいられるのかもな。

ガイア「いっそ、ミクスに駆け落ちしようか……」
そう呟いておいて、一人で笑ってしまった。
ガイア「そんな訳にいかねーか」
父親亡き後、あの暴君ネロにニトロを任す訳にはいかなかった。

もし、エデンをニトロに迎え入れたとしても、辛い思いをさせるだけかもしれないな。
ニトロは腐敗しきってる。

それでも、ガイアは後日エデンを迎えに行くつもりだった。





0
  • しおりをはさむ
  • 2
  • 45
/ 118ページ
このページを編集する