神のスイッチ3【砂の王国・ゴールド】

本当に、厄介な相手を好きになったもんだ。

ガイアは残り少なくなったグラスをイッキにあおる。

不思議なものだ。たくさん女を抱いてきたが、好きな相手ともなると、違う生き物を抱いているみたいに悦楽が桁違いなんて、まるで麻薬だ。
誰にも渡したくないのに、俺は──

ガイアは、捕虜交換時のフライヤーに抱かれるエデンの姿を思い出していた。
扱い慣れた様子で腰に手をやるフライヤーに、これまた馴染んだ様子のエデンが安心して体を預けていた。
見ているこっちも、しっくりくる画に見えた。

あの様子じゃあ、普段からああなんだろうな。
あれが自然なんだ。

ガイアは、あの二人に妙な雰囲気を感じる。
相互関係というか、パートナーというか、お神酒とっくりみたいな、切っても切れない見えない絆を感じた。

あの二人は同じ様なオーラを持ってる。

フライヤーはエデンの正体を知らないから別に恋人同士ってわけでもないし、主従関係がしっかりしているから親友同士というわけでもない。なのに、あの艶っぽい空気感は何なんだ?

ガイアは苛ついてグラスを握る手に力が入る。

エデンは、男で通しているからフライヤーとはそんなんじゃないと言っていたが、フライヤーは明らかにエデンをそういう対象として見ていた。
男だから解る。
フライヤーがエデンに手を出さなかった理由は、彼女を男だと思っているからじゃあない。
断言しよう。
フライヤーはただ我慢しているだけだ。
何故なら、男であるはずのエデンを、無理矢理抱く事を彼は可哀想だと思っているからだ。
そうでもなければ、一国の王は家臣に手を出していたはず。
つまり、フライヤーは本気でエデンの事を愛しているのだ。
エデンだって、本当はそれに気付いているはずだ。

それでも、エデンはニトロに来てくれるのだろうかと、ガイアは不安になった。

悔しいが、フライヤーはとんでもなく色男だ。あのエデンと並んでも何ら遜色はない。
もしエデンの正体がバレて、彼が彼女を女性として本気で口説いたなら、どうなるかわからない。
一緒にいる時間が圧倒的に少ないだけに、俺は不利だ。
あいつらは、これまでも、今でも、ずっと一緒にいる訳だから、俄に現れた俺なんかよりずっと深い絆で結ばれている。
というか、エデンは向こうで一体どんな生活を送っているんだろう?

ガイアは手を上げてウェイターにおかわりを催促する。





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