神のスイッチ3【砂の王国・ゴールド】

砂の王国 /そっくりさん

初めてモクレンを見た時から、エデンによく似ていると思った。
不思議なもので、エデンへの想いが強くなればなるほど、彼女と会えない日々が募れば募るほど、モクレンに潜むエデンの影が濃くなっていく。
ガイアは部屋のソファーでジンを飲みながら、遊びに来ていたモクレンの顔を正面からまじまじと凝視していた。
モクレン「最高司令、さっきから自分にメンチきってますけど、どうかしましたか?」
モクレンは膝に肘を付いて両手で顔を支え、向かい側のソファーからガイアを上目遣いで見つめる。
酔うと視界がボヤけて、尚更モクレンの中のエデン色が強まり、男である彼から色香が立ちこめて見えた。
ガイア「いや、酔ってるのかな?やけにお前が……」
エデンに似ていると思ったら、モクレンの薄い唇がぷっくりと紅く色付けされている。
こうしてみると、モクレンの唇はエデンのそれによく似ていた。
いや、似せられていた。
ガイア「なんで、口紅なんか?」

フライヤーは、この唇にキスしようとしていた。
この唇?いや、あの唇に。
エデンを男だと認識した上でだ。
あいつは自分をノンケだと言っていた。という事は、性別を超越してエデンの事が好きなんだ。

ガイアは身を乗り出してモクレンに腕を伸ばし、その唇に触れる。

柔らかい。
男も女も、唇の柔らかさは一緒だ。
自分をフライヤーとして、モクレンをエデンとして見てみると、成る程。脱がせない限り、性別なんか判別出来ない。
睫毛、長いんだな。
肌も、きめ細かくて陶器みたいだ。
髪だって、サラサラなのに、艶々している。

ガイアは、自分でもヤバいなと思った。
モクレン「最高司令」
モクレンが、自身の唇に触れたガイアの指を、誘い込む様に軽く口を開けた。
ガイア「エデン……」
フライヤーとしての目線なのか、ガイア本人としての目線なのか、ガイアには目の前の男がエデンに見える。
モクレンは驚いた様子も無く、ガイアの親指に軽く歯をたてた。

なんて扇情的なんだろう?
ただ触れているだけなのに、キスしている様な、又は本番をしている様な……

ガイアの頭の中に、一瞬エデンとのめくるめく官能の夜が甦った。
それと同時に、ガイアはモクレンを男として見れなくなる。

これが、日々、エデンと暮らすフライヤーの視点と心情ならば、まずいかもしれない。
だって──
今、俺自身がまずいから。

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