神のスイッチ3【砂の王国・ゴールド】

フライヤーは、毎日こんな煩悩の日々を送っていたのか。
エデンがたまらなく好きなのに、相手は男。
男に興味はない。
──けど、目の前のご馳走を食べたくて仕方がない。
これでよく我慢出来たものだ。
いや、我慢出来ていたのではなく、単に、エデンにおあずけさせられていただけなのかもしれない。

フライヤーはそうしてエデンを食べ損ねていたのだが、ガイアはどうだろう。相手は色子を生業とするモクレンだ。しかもおあつらえ向きにもガイアに好意を持っている。
モクレンはガイアの手を捕らえ、それに甘える様に頬を寄せた。

最高司令、自分はあの人の代わりでもいい。
だから、あの人をこの国に入れないで。

潤んだ瞳で懇願され、ガイアの脳内に一挙にアルコールが回る。

これはまじでヤバい。

グニャリと視界が歪み、オートフォーカスがかかると、ガイアは、目の前の人間がエデンなのか、モクレンなのか、はたまた男なのか、女なのかすらも判らなくなっていた。

モクレン「最高司令、あの人が居なくなって寂しいんでしょ?」

違うと言ったら……嘘になる。

モクレンは立ち上がってガイアのすぐ隣に座る。
横から見上げてくるモクレンがあまりにもエデンにそっくりで、ガイアは思わずキスを降らせていた。

ガイア「エデン」
モクレン「最高司令、全部自分に任せて下さい」
すぐそばで聞いた声が、ガイアはとても遠くに感じる。

モクレン「最高司令、大丈夫ですから。あなたは何もしなくていいですから、自分に身を任せて下さい。何も心配ないですから」
そんな事を言われながら、ガイアはソファーに背中から沈められた。
ほんのちょっとだけ残ったガイアの正常な脳ミソが、けたたましく警鐘を鳴らしたが、ガイアはモクレンに抗わなかった。

モクレンの言う通り、ガイアは寂しかったのだ。


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