世界は彼女の為に回っていたⅡ

学園祭では何かが起こるⅡ /大人達の過去

息を切らしてやって来た彼は、中学の頃から思うと、随分“男性”として成長していた。


月日は随分流れた様だ。


「お久しぶりです」

「えぇ。お久しぶりです。元気だった?」

「はい」

「それは良かった」


何を話したら良いのか解らなくて、ついつい教師の様な振る舞いになってしまう。

やっぱり、夢を諦めても、学んで来たことっていうのは、身体に染み付いてるものだ。


「で、話ってのは?」

「本題に入りましょうか」


私は俯き加減に、コンクリートが割れた所から、生えている雑草に視線を向けた。


「ナカの……“弟”のことを、アナタ達に知っといて欲しいと思って」


私は俯けた顔を上げた。
女の子は驚いて目を見開いたが、すぐに私の真摯な眼差しに答える様に、冷静さを取り戻した。


「少しだけ……昔話を聴いてちょうだい」


二人の聞く姿勢に、私に詰まっていた緊張が抜けた気がした。

0
  • しおりをはさむ
  • 51
  • 32
/ 340ページ
このページを編集する