世界は彼女の為に回っていたⅡ

学園祭では何かが起こるⅡ /姉弟の崩壊


「ちょっと、隆洋! それ、私の唐揚げ!」

「完食することもエコに繋がるんだぜ」

「最後に食べようと思って、取ってたのに! 絶対わざとでしょ!!」

「先に食べない方が悪い」

「たーかーひーろー!!」

「ちょっと落ち着いて花菜!」


私が最後に食べようと取っといた唐揚げが、見事隆洋の胃袋に収まった。
こんな喧嘩は日常茶飯事で、この仕様も無い言い合いを納めるのは、絶対に優の役目なのだ。


「ほら、俺のやるから」

食べ物につき、現金な私はそれで簡単に機嫌を直す。


ずっとこんな、くだらない毎日が、続くと思っていた。



多分、そう思っていたのは……私だけだったのかもしれない。


別にそれは“突然”って訳じゃなかった。もう優とは付き合い出して、三年は経つし、お互い成人した身だし。

ただ、お互い学生だったから、そういう話はまだ早いと思っていたのも事実で。

けど、いずれはそうなるんだろうなって、予感してたっていうよりは、極、自然にそうなるものだと信じていた。



「大学卒業したら、結婚しよう」


だから、プロポーズを受けた時、照れ臭くは感じたけど、あまりドキドキも感動もしなかった。

……あぁ、やっとか。


なんて思っている自分がいた。


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