総長になりたくない【完】





時が止まった。






「…ヒユウ?」


「氷雄はああ見えて頼りになる奴だ、信じろ。お前を助けに行こうって言い始めたのもあいつだぜ」


「え、待って…」


「副総長の俺が全面的に支えるから。紅藍はきっとこれからも最強だ。俺はそう確信してる」


「ちょ、ちょ…」





その時、バタンと扉が開かれる。





振り向けばヒユウが立っていた。


エンジはあたしの肩をポンと叩くと、ウインクして部屋を後にしてしまう。






あたしは未だに状況が掴めず、ぽかんと突っ立っていた。



そんなあたしにヒユウは近寄ってきて低く声を出した。







「お前のために総長になった」



「はい…?」



「お前はどんな俺でも受け入れてくれると言ったよな…?そんなこと言ってもらえたのは初めてなんだ。俺はお前に惚れてる」



「I can't understand…」



「俺のこと知ってほしい」







そう言うヒユウは両手にゴツい荒縄を持っていた。


縄を紐解きながら、あたしの腕を掴む。






ガーゼを貼られた首筋に噛み付かれる。



いきなりのことにひえっ!?と声を出して、腰を抜かして地べたに座り込んだ。





待ってましたと言わんばかりにあたしを組み敷くヒユウ。


その目は紛れもなく獣じみてる。






「俺の全部を、受け入れてくれ」






「えっ…あっ、ちょ…待っ…アアアアアアアアア!!」






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