湿った世界の片隅で【完結】

Act.4 /偽りを恐れた日

 
自分でもなぜあんな"気まぐれ"が働いたのか分からなかった。

彼が言っていた通り、自分のストーカーだった人と接触を図るなんてどうかしている。

自分でも普通じゃないって思う。

ましてやアパートにまで上げようとしたあげく(そのときは断わられてしまったけど)、食事にまで誘い、別れ際にはキスまでしてしまったのだ。

初対面の人に、それもストーカーだった人にキスをするって、正直ない。


仮にもあたしは"女"だ。

もちろん肉食系と呼ばれる女性も少なくないが、でも"何となく"で生きてきたあたしに、そんな積極性が備わっているとは思えない。

全力でそう思った。


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