湿った世界の片隅で【完結】

Act.2 /太陽に怯えた日

 
自分の行為が倫理に反していることは分かっていた。

もちろん彼女を怖がらせていることも分かっていた。

それでも仕事帰りに立ち寄ったコンビニで、初めて彼女の働いている姿を目にした瞬間、ポーッと見惚れている自分自身に気づいた。

一緒にいた友人に「おい」と小突かれるまで動けず、雷に打たれたかのようにしばらく呆然としていたのを今でも鮮明に覚えている。

特に理由なんてものない。特別愛想が良かったわけでもないし、特別目を引くような容姿でもなかったと思う。


けど、でも、だけど。

自分の存在を知ってもらいたいと思うくらいには、囚われていた。


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