~幕末の黄昏~ 【第三部】

第十三章 ~淡き光となる微笑み~






我々の訪れにより、
あの方はとうとう限界を迎えられて
お倒れになってしまった

その時の私の主の行動に、
私は随分と驚かされたものだ

まさかあれ程までに熱心に看病されるとは

まさかあれ程までに大切になさるとは



ずっと見守るそのお姿に
そのお心を察したのだが、
こればかりはご自身で気付かれなければ
意味が無い

幸いにも、
あのお方も主を嫌っている事は無く、
むしろ新選組の誰よりも
お心を開いているように見えたのは
きっと気のせいではないだろう



我が主もまた、
あのお方にお心を許していたのだが






あのお方が回復なされた後、
新選組局長と交わした取引の期限が過ぎても、
我が主は夏が過ぎるまで
あのお方を連れ出そうとはなさらなかった


あの笑顔を見れば、
あれ程輝かしい笑みを浮かべられる場所を
奪おうとはどうしても思えなかったのだろう


あの、
















淡き光となる微笑み















まるで花咲く桜のような、
穏やかな微笑を見れば

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