側にいるのが、当たり前だと思っていませんか?当たり前だと思っていたことが、音をたて崩れ始める。

「楓、ずっと一緒にいてくれ」





ずっとや永遠なんて、ないのに…。





「勿論!離さないでね?」




その言葉にすがりついた





「おう、楓を裏切ることはしないから」






もう一度だけ






人を信じてみよう





「楓、別れよう」





「やだよ…ねぇ、約束したじゃん」





貴方が、私から離れるわけないと…





貴方の口から、聞くわけない言葉だと…





信じて、疑わなかった。






「もうやだ」





なんとか繋ぎ止めても、中々上手くいかなくて





「ごめんな」






「りーくん、変わったね」




「俺は、変わってない」





変わらないことは、そんなに難しい事ですか?





「変わったよ、自分では気がついてないの?」





「楓にそんなことを言われるのは、耐えられない」





「りーくん」





「別れよう」





人を裏切らないことは、難しい事ですか?





嘘をつかないのは、難しい事ですか?






――――――――――――――……




「帰したくない」


「私も、帰りたくないよ。でも、また会うでしょ?」


「そうだな」


「りーくん、またね?」


「またな」



繋がれた手は、ゆっくりとほどかれた。


笑顔でまたねと、挨拶をしたね。





振り返らないと決めていたの…




でも、振り向いてしまった。




あの日






繋がれたこの手を、はなさなければ…









メイン更新にさせてもらいます。



更新再開します。