RED【完結】

第5話 加速する想い




クリスマスから一週間が経ち、私のお腹の痣の色も少しずつマシになってきた。

もう痛みもなく仕事に行けるほど回復はしたんだけど年末年始はお店自体が休みだから行っても誰もいない。

あの男の子も、もう退院できてるといいな。


ピンポーン

インターホンが鳴り、ドアを開ける。

「よっ」
『、、もうご飯はいいって言ったのに』
「だから今日は持ってきたんじゃねぇよ」

実は私が怪我をしてから料理も作れねぇだろって太凰が私の部屋に毎日、料理を作って持って来てくれていた。

電子レンジでチンしたらすぐ食べれるからってタッパに詰めて持って来る太凰はそこら辺の主婦よりできる男。

そんな事してくるから気になる気持ちを忘れたかったのに逆に意識させられる毎日だった。

もう怪我も治ったし持って来なくていいよ。って言ったからもう明日は来ないだろう。
そう思ってたのに今目の前にいる太凰。

ただ料理を持って来た訳ではないらしい。


『じゃ何で来たの?』
「年明けただろ?
お前、初詣行ったか?」
『行ってないけど』
「まっ、そうだと思ってよ、誘いに来てやった」
『・・・え?』
「初詣、行こうぜ!」
『え、今からっ?』
「おう!10分で用意しろよ〜」
『はい!?そんなの無理だよ!
てか聖也と翔は?』
「あいつらも行くぞ。
今は聖也の部屋にいる」
『な、何で私を誘うの?』
「あ?何でってお前は神様にお願いしておいた方がいいんじゃねぇかと思って。
今年は怪我しませんようにって」
『・・・それはそうだけど、』

私も今年はあんな目に遭いたくないけど。
てか今年だろうが来年だろうが二度と嫌だけど。

太凰っていつもいきなりなんだよね、良くも悪くも。
女子は身支度に時間がかかるって知らないのかな。
こんなスッピンじゃいけないし、、あーもうっ。

『できるだけ早く準備するから、太凰も聖也の部屋で待ってて?』
「分かった、早くな〜」
『はいはい!』

結局、断ることなんてできない自分。
ハァッ、、情けない。


服を着替えて軽いメイクを済ませ、部屋を出る。

ロビーに着くと先に着いてた三人と顔を合わせた。


「お前、、10分っつったのにもう30分も過ぎてんじゃねぇかよ!」
『しょ、しょうがないじゃんっ。
10分なんて無理だよ!』
「女の子は色々時間かかんの。な?」
『うん、やっぱり翔は分かってるね』
「あ?なんだよその俺は何も分かってねぇみたいな言い方はよ」
『だって実際そうじゃん。
いつもいきなり現れて私の心の準備とかそういうの全部無視してっ、、て何言ってんだろ私…』
「あ?何だよ?」
『・・・何でもないよ!
初詣、行くんでしょ?』
「おぉ!
さみぃから歩いて行ける神社な」
『うん、いいよ』
「乃空、すっかり元気になったみたいだな?」

あ、そっか。
太凰とは毎日会ってたけど二人と会うのはクリスマス以来なんだった。

『うん、おかげさまでっ』
「俺のおかげさまだろ?」
『・・・ありがとね?翔、聖也』
「おい!無視すんなよ!」
「いや、俺と聖也は何もしてねぇから。
実際、このワァワァうるせー奴の言う通りだろ」
「あの日、誰より先に駆け出して行ったのコイツだしな」
「料理もわざわざ乃空の為に作ってな?」
「べ、別にコイツの為とかじゃねぇし!
俺の分のついでに作っただけだし!」
「ついで?
お前はちょっと焦げたやつとか失敗したやつ食ってただろ。笑」
『えっ?』
「っ!!
うっせぇ!それ以上喋んな!」
「はいよ〜」

今、翔が言ったこと、本当なの?
太凰はいつも私にもついでだ、ついでだって言ってた。

太凰の持ってくる料理はいつも完璧で、美味しかった。
それはそういうのを選んでくれてたのかな…。

太凰を見ると赤い髪と同化するんじゃないかと思うくらい真っ赤になってた。

『・・・太凰、ありがとう。
太凰のおかげで良くなったよ!』
「っ!!べ、別に俺は適当に、その〜なんだっ」
「ちゃんと日本語喋れ」
「プッ」

なんだろう、この胸が締め付けられる感じ。
キューンて苦しくて、ザワザワして、少し泣きそう。

悲しいとかじゃなくて、
何でか少し、切なくなった。












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