0と1のあいだ【完】

那由多を乗せて、車は走り出した。



すぐに見えなくなって、私は声を上げて泣いた。



もう我慢できなかった。




ママに抱きついて、

もういない那由多に、

またね、

またね、

って言いながら。





落ち着いた私に、ママが言った。



「那由多くん、最高のおまじないしてくれたね」

「おまじない?」

「そっ!」

「なんの、おまじない?」



ママはうふふと言って、力いっぱい私を抱き締めた。



「いつか、ずっと一緒にいれるようになるかもね」

「ほんとう!?」



私はママの胸から顔を離して、聞いた。



「零が、那由多くんを忘れなかったらね」

「わすれないよ!ぜったい、ぜったい、わすれないもん!」



ママが相変わらず楽しそうに笑ってるのを見てた。



その後ろで、パパが落ち込んでたことには、全く気付かずに。

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