0と1のあいだ【完】

不意に視線を感じて顔を上げると、ママがにやにやしながら覗き込んでいた。



「わっ、ママ!」

「なんて書いてるの?」

「ヒミツ」

「えぇー。見せて見せてー」

「……」



ママを無視して、左手で隠しながら続きを書く。



「零」

「何?」

「那由多くんにさ、夏休みに遊びにおいでって書いといて」

「……えっ?」



声が裏返った。



ママはにっこり笑うと、呆けたままの私を残してキッチンへ消えた。

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