波涛(はとう)の月

美ら海燃ゆる /第3話 運命の出会いと別れ(1)

その日は珍しく家族で一日を過ごすことができるはずだった。


10月の美しい空に不気味な音をたてながら見慣れない大編隊が近づいてきた。



空襲警報が鳴り響く、幸たちは防空ずきんをつけはじめた。


「まったく、なんでたまの珍しい一家団らんの日がアメ公の空襲で台無しだよ」母が小言をいった。



「大丈夫だよ、すぐに友軍がアメ公を追い払ってくれるよ」
弟が答えた。


「二人とも話してないではやく避難」
幸が割って入った。



家族が玄関を出ようとしたその時に近所に爆弾が被弾した。


ド ドーン


大音量の爆発音とすさまじい熱風が幸を襲った。


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