波涛(はとう)の月のレビュー

最高の良作

投稿者: 遠野遠瑠 2009-12-30 11:24

日本の戦争を描いた小説です。
『死』から尊厳を剥奪する戦争という行為の醜さを、歴史的事実に基づいてこれでもかというくらいに描いています。

天皇陛下を現人神とあがめ、神のために命をとして敵に突撃する兵士の姿は今の私達からすると滑稽にすらみえますが、彼らがどれほど真剣にそれを実行していたのかが、この小説には描かれています。

この小説には次郎というキャラクターが登場します。人格者として描かれているキャラクターの彼は終盤、赤ん坊を作戦上の理由で切り殺します。このシーンからは戦争というものがいかに人間の精神を蹂躙するかわかってほしい、という作者様のメッセージが伝わってきます。
最高の良作です。

ぜひ一読を!