波涛(はとう)の月

受難に咲く恋の華 /エピローグ 二人の戦後

「母ちゃん、どこにいったかと思ったら、やっぱりここかよ。和美の言った通りだ」

幸は沖縄本島最南端の岬にいた。

「あら、久和!帰ってきたの?」



「今朝、羽田空港から父ちゃんの命日のために帰省するって連絡いれたじゃん」



「そうだったね。あなたも立派なお医者さんになって忙しく働いているみたいだね」

「わたしも忘れないでよ。お兄ちゃんと同様にちゃんとお母さんの情熱を受け継いで看護婦をしています。」

「和美もこうして人様の命を助けるのために立派な看護婦になったみたいだね」
幸は水平線に映える夕日を眺めていた。

その夕日は幸が戦後も看護婦として懸命に人命を救うために邁進した幸の情熱を表しているかのような輝きだった。


「次郎さん、今年も私たちの意思を受け継いだ久和と和美とそろってここにきました。」


幸の目に涙が浮かんだ。

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