波涛(はとう)の月

美ら海燃ゆる /第10話 これが恋というもの?

幸の勤務先に次郎が訪問した。


「幸さん、元気だったかい?」


少し次郎はやせたようであった。


「次郎さんこそ、お元気そうで何よりです」


幸は興奮していても感情があらわにするのが禁じられている時世を悔やんだ。

「今度はうちの部隊は南部の守備をすることになった幸さんが近くにいると思うと戦う闘志がわくよ」



「次郎さん、最近はやたらと敵の艦隊の数が多くなったようです。ぜひ神州をお守りください」


幸は願いを込めるように言った。


幸のいうとおり南部にはやたらと以前より多くの敵の艦隊が出没するようになった。


これは南部だけではない北部も同様であった。


沖縄守備隊はせまりくる敵の上陸地点はどこになるのか敵の巧みな陽動作戦にまんまと撹乱されていた。


0
  • しおりをはさむ
  • 19
  • 6
/ 212ページ
このページを編集する