WINE RED 【完結】

1. /この男





「司、腹へった」




つかさ、とわたしの名前を呼びながらわたしのベッドに寝っころがり煙草を吸出しそうとしているのは


椎名 隼人(しいな はやと)だ。




煙草を吸う隼人は上半身裸でそれは少し前までわたしたちが身体を重ねていた証拠だ。


人のベッドで煙草なんか吸ってよくもまあそんな偉そうな事が言えるもんだ。

少しは甘い余韻とかないのか、いやないな。

こいつはそういう男だ。




「帰りにどっか寄ればいいじゃん」


散らばる服をかき集めそれらを着れば


「司が作って」


と隼人がわたしを見つめながら言う。



「…分かったよ」


その隼人の瞳に見つめられれば断ることなんて出来ないんだ。


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