WINE RED 【完結】

2. /ゴンドラの夢




「…………」


どうして隼人とわたしが観覧車に一緒に乗っているのか。
未だにこの状況が理解出来ていないわたしを余所に隼人は静かにシートに腰を掛けた。



「隼人…」

戸惑いながらも名前を呼ぶとゆっくりと視線をわたしに向ける。


それだけで身体中に電流が走ったかのような感覚がした。




「座れよ」

「うん…」


隼人に言われて隼人と向かい合うようにわたしもシートに座った。



ゴンドラの中は狭く、密室。
物音もあまり聞こえなくて静まり返っている。



隼人と二人きりなんて慣れてる。
体の関係だってある。


それなのに何故か、普段にはない緊張感がある。



狭い空間に二人きりだからか。

それとも


観覧車というロマンチックなものがそうさせているのか。




わたしはそのなんとも言えない緊張を解すために口を開いた。



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