WINE RED 【完結】

3. /好きな人



「司、お昼行こ」

翌日、七海に誘われて学食を食べに食堂まで行くと


「……恵実さん」


ちょうど入り口の所で恵実さんと鉢合わせた。



昨日はあの後すぐに解散して、恵実さんは怒っているかと思ったけど最後には「またね」と言ってくれた。


だから少し安心していた自分がいた。

今だって、


「司ちゃん」

いつもの笑顔を向けてくれてる。


「司、知り合い?」

恵実がこそっと聞いてきた。
それに「うん」と言って頷くと恵実さんが


「少し司ちゃんと話したいんだ」


と言ってきた。



「…話、ですか?」

「うん」


いつもと変わらない恵実さん。

でも、恵実さんの醸し出す空気が微妙に変わった気がした。
暗い空気を恵実さんが纏った。


でもそれはほんの少しの違い。

きっとわたしにしか分からない違い。

話の内容を想像出来る、わたしにしか。



「分かりました。
七海、先にお昼食べてて」

「え…うん、分かった」


恵実さんと、話すことを決めた。


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