眠り姫は夜を彷徨う【完】

風のウワサ

私には持病がある。

いつから患っていたのか、正直自分でも覚えてはいない。

気付けば、現在の症状が現れていたという感じだった。

だからと言って決して病弱な訳でもなく、身体は至って健康。

どちらかというと、精神的なものからなのかも知れなかった。


その名も『睡眠時遊行症』。


俗に言う『夢遊病』と呼ばれているものである。


昔、一度だけ病院へ連れられて行ったことがあった。

でも、子どもには稀にある症状だと言われたのみで特に治療や解決策を見出すことが出来なかった。

成長すれば落ち着いてくるだろうとのことだったが、それはある意味病院側の『投げ』でしかない。


そう。

私は十六歳になった今でも症状は落ち着いてなどいない。

毎日という訳ではないが、夜な夜な徘徊を続けている…らしい。


己の知らぬところで。

それも、夜の街を…。




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