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リンイーアーサームスー?」

LingˊYiErˋSanSiˋ


「リーン…ィー…ァー…サー…ム?」


「エリちゃん…三は日本語とほぼ同じ発音だよ?」



困ったような笑顔で私に指摘してくる亜三くん。

しかし私は納得がいかない。


「だって…!さっき亜三くんも!サーム って言ったもん!」

「…言ってないよ?」

「絶対言った!!!!」


ここで私が間違って聞こえちゃったなんてなったら…とても恥ずかしい。


中国のピアノコンクールで優勝したこともあるのだから、幼いながらも耳の良さに対するプライドがあった。


「中国語の発音は日本語よりも多いんだから。難しいのは当たり前だよ。…聞き間違えても、恥ずかしくなんかない。」


亜三くんは、少し困った顔で私の頭を撫でる。
その優しい手つきに心が穏やかになっていく。


しかし、私はそこでハッと気づいてしまった。


…亜三くん、私よりも歳下なのに。
困らせてどうするの。私ってば本当大人げない…。



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