BOX








ダイニングルームの扉が開かれる。
この部屋には時計があり、今は21時を過ぎている。


ダイニングテーブルに座り、シロと共に亜三くんの帰りを待っていた私は、勢いよく椅子を引いて立ち上がった。

姿を現した亜三くん。
部屋に入るや否やガクンと膝から崩れ落ちた。


「亜三くん!?」



シロと私が駆け寄る。私はうつ伏せに横たわる彼をゆっくりと仰向けにさせた。



彼は、身体中痣だらけだった。鼻の下には硬くなった血がこびりつき、首元には縄の跡が赤く浮き上がっている。

亜三くんは、ボロボロで、今にも死んでしまいそう。









ポタリ、ポタリ。
亜三くんの頬に私の涙が、滑り落ちていく。


「もうやめて、亜三くん。」


私の悲痛な声が聞こえたのか、亜三くんがゆっくりと目を開けた。


「…エリちゃん。」


私は彼の体に負荷をかけないよう、上から優しく抱きしめた。亜三くんの戸惑う声を無視して、私は抱きしめ続ける。


亜三くんは自分を大切にする術を知らない。だけど、このままじゃ彼は死んでしまう。


どうしよう、亜三くんが死んだら、どうしよう…。















テーブル上にある簡単に作った野菜炒め。彼を待っている間に冷え切ってしまったソレが、私たちの未来を暗示ていたのかもしれない。



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