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今日は、亜三くんの家で食事をする予定が入っていた。
私のピアノコンクール優勝をお祝いしてくれると言ってくれたから。
パパとママは、その日別の用事があり、亜三くんのお家の前で別れることになっていたけれど。
パパは挨拶だけしたいと言って、家族3人で大きな家の門を潜っていた。
呼び鈴をパパが鳴らす。
そして、その大きな扉がゆっくりと開かれた。
そこには優しそうな顔をしたおじさんが立っていた。
「你来了!(いらっしゃい!)…よく来たね。」
彼は、中国で働いているお医者様の長谷川さん。
私の感染症の疑いがあった時、検査の時に通訳も兼ねて携わってくれたおじさんだった。
彼は、身寄りのない亜三くんをか快く引き取ってくれたこともあり、あの日から数年経った今でも私たち家族との交流があった。
「長谷川さん、今日は娘のためにありがとう。」
「いやいや、君と僕の仲じゃないか。」
2人は堅い握手を交わしながら、熱く語っている。
…そういえば最近2人の仲がやけに良いなぁと思っていると、
「パパの病院設立計画に長谷川さんも協力してくれてるのよ。しかも無償でね。」
ママはこそっと小声で教えてくれた。
…そうなんだ。
長谷川さんって、素晴らしい人なんだなぁ。
私が尊敬の眼差しで長谷川さんを見ていると、私の視線に気付いた彼は私へ微笑んで来た。
「エリちゃん、またまた優勝おめでとう!さすが天才と名高いピアニストだ。
亜美が君に会いたくてうずうずしてたよ。中でご馳走を食べようね。」
「はい!今日はありがとうございます。」
人と話すことが苦手な私でも、自然と笑みを浮かべながら、元気よく挨拶できた。
…だって、数ヶ月ぶりに、好きな人に会えるもの。
あらすじ
白い箱に閉じ込められた私に寄り添う、美しい執事ロボット。私を生かすため、彼はその手を血で染めていく。あなたは一体何者なの…?
目次
この作品のレビュー
総合ランキング908位獲得!(2018年11月)
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