彼女の体内昼寝時計。

01 /春の訪れ、雲は恋模様





「兎、サボるのは駄目だからな」

「あいよー」




兎とは遠い親戚という事にして、俺は一緒に登校をしている。

学校側には何も言っていないが、友人や周りの生徒に噂が回れば一緒に登校してる事を不自然に思われないだろうという兎の考えで俺は行動をしている訳だ。

当然、最初は誤解されるのが嫌だったから別々に登校しようと提案したのだが、それだと兎がいつまでも起きて来ない事が分かったので、こんな形になった。



「おお、虎じゃねぇか!」

「おう、正弘。おはよう」






下駄箱で上履きに履き替えた後、兎と別れてそれぞれ別の方向へと向かって行く。

途中で、高校一年の頃からの友人、本橋 正弘もとはしまさひろに会って挨拶をした。

正弘はサッカー部のエースで、顔も良ければ性格も良しで女にモテる。

サッカー部が恋愛禁止だから、彼女は居ないらしいが、本人は温もりが欲しいらしい。



「今日も兎ちゃん可愛いな! 見たぞ~、お前達が仲良く登校してる所!」

「俺が起こさないと学校にも行けない寝坊助を可愛いと思った事は一度もない」

「またまた、可愛がってる癖に、」



たまにからかってくるが、悪気はないのが分かっているので俺がそれに対して怒る事は無い。

本当に兎を可愛いなんて俺は思った事はない。

未だに枕として俺の膝を使うし、課題をやっている俺の邪魔をしてくるし、そんな奴のどこが可愛いんだか。


0
  • しおりをはさむ
  • 62
  • 921
/ 704ページ
このページを編集する