一華の口付け㊤

01









時が流れ、4年後。あたしがお姉ちゃんと同じ歳になった時、あのお屋敷の人達はさらに一際目立つ存在へとなっていた。



「ねぇ花!またあの街に来たんだって!!」

「誰が?」

「五十鈴様だよ!五十鈴様!!」

「ふぅーん、」




その四人が街を歩けば周りの人間が騒ぎ出す。

うるさいくらいに、悲鳴に近い声をあげる。

あたしの通っていた中学校も、危ない男に魅せられ、雄叫びを上げるような人間ばかりが揃っていた。

お姉ちゃんはそんな男に殺されたというのに、呑気に人殺しを好きになる女達はまるでさかりのメス猫。

だけどあたしはあの事件の真相を知るために、危ない男の事を知る人物を夜の街に出向いて探している。

ーー、それはあたしだけの秘密。





ちなみにお母さん達はあたしの身の危険を察知して、敢えて近所の中学校に通わせなかった。お姉ちゃんと同じ中学校だったらすぐに目をつけられるからだそう。

そんな事しなくても、もう目はつけられているというのに。





「でも、見つからないよねー。」

「何?そのお偉いさんたちは捜し物をしてるってわけ?」

「花、相変わらず冷めてるねぇ。
そうみたいだよー。可愛いお花を捜してるんだって!」

「お花、ねぇ。」





あれからめっきりと関わらなくなり、あのお屋敷に姿も見せなくなったあたしを予想通り五十鈴さんは探しているらしく、取り巻きの三人も夜の街に潜んでいるという。

五十鈴さんや三人にどう見つからずに過ごして行くかが問題。

でも復讐のためなら、危ない道を渡るのも致し方ない。

復讐するまでに正体さえバレなければ、それでいいのよ。



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