よみや高校怪奇倶楽部〜こわがりな先輩と最強守護霊憑いているちゃん〜

第一話 ひとり多い /その弍

 最近も、女子生徒四人が怪異を引き寄せることを行っていた。
 それは、春休みのある日のこと。
 文化部に所属するその女子生徒たちは、暇を持て余していた。運動部のように決まった活動もないのに、春休みの間に何日間か登校しなければならないという決まりがあったせいで、そういう暇な時間ができてしまったのだ。
 最初の数日は新入部員がやってくるのに備えて掃除をしようと言って時間をつぶせたが、そのうちに本当にすることがなくなってしまった。
 そんなときに、誰かが言い出したのだ。「こっくりさんをやろう」と。
 口々に「何それ」とか「いやいや、そういうのないでしょ」なんて言いながら、気がつくとスマホでやり方を調べていた。欲しい情報なら大体、この小さな器械で調べられる便利な時代だ。こっくりさんを呼び出すための方法も用意するものも、簡単に見つけることができた。
 用意するものは十円玉と、鳥居の絵と、「はい/いいえ」という文字、ひらがな五十音と濁音と半濁音を表す記号、それから〇から九までの数字を書いた紙だ。
 その鳥居の上に十円玉を置き、「こっくりさん、こっくりさん。どうぞおいでください。もし来られましたら、『はい』のところに十円玉を動かしてください」などと言うのだ。
 これらの文言に特に決まりはない。とにかく“こっくりさん”に呼びかけて来てもらうのが目的だ。
 紙を用意して十円玉を鳥居のところに置くと、四人の女子生徒は緊張した面持ちになった。
 おふざけで始めたことだったが、紙を用意するうちにだんだんと本気になってしまったのだ。何となく、自分たちを取り巻く空気すら変わった気がしていた。
 四人は声を揃えて、こっくりさんに呼びかけた。
 すると、十円玉はゆっくりと動き出し、「はい」のところへ移動した。
 そのことに興奮した四人は、いろいろと質問していった。
 こっくりさんは簡単な降霊術で、呼びかけに応じてやってきた霊が質問に答えてくれるというものだというのが四人の認識だったから。来てくれたからにはいろいろ聞きたいと思ったのだ。
 「私の将来の旦那さんはどんな人?」とか「担任は誰になる?」とか「彼氏はできる?」とかとりとめもない質問ばかりだったが、それらに対する答えが「はげ」「でぶ」「むり」だったことで笑いのツボに入った。そのため、笑いすぎて勢いあまって、十円玉は飛んでいってしまった。

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