桃の花が咲く季節〈下〉【完】

第6章『竜胆』 /運命

花音side







総長は話し終わった後、そっと息をついた。








まさか…



「紫苑さんって…。」


「綾の親父だ。」



総長は静かに言う。


それからそっと綾君を見て…




「黙ってて悪かったな。」


そう謝った。








「いえ、知ってましたよ。」



綾君が少し笑う。


まるで何でもないというように。






「親父が総長を庇ったことも、親父の兄が起こした問題は親父が責任とらなきゃいけないのに総長が組長さんに口利きしてくれたことも、全部知ってます。」



「綾…。」



「これはこれで貸し借りチャラで収まってますよ。」



綾君がからからと笑った。










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