橋架山高校虹部〈参〉【完】

第9章 /不穏な影



どんよりとした天気が続く、どこかすっきりとしない最近の天気。

気温が下がってきて、いよいよ秋の始まりだろうか。



「きーちゃん。」

「あ、ナギ。」

放課後、ぼんやりと校庭を眺めていた私にナギが声をかけた。


「何見てるの?」

「あー、サッカー部。」


そう答える私の隣にナギは立つ。



「誰かいるの?」

「違うよ。いないと、思って。」


今日のサッカー部の練習はボールを取ったり取られたり、何だか目立った動きがない。


「ああ、トラ君ね。」

「うん、最近いないよね。」


いつもは放課後はサッカー部の練習に行ってから虹部に来るのに。

そんなトラはこれだけサッカー部に入り浸っていても、あくまで助っ人という肩書きを手放さない。

いっそサッカー部に入っちゃえばいいのにって言ったら、「俺は虹部でいたいんだよバーカ。」って返された。


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