死なない少女は妖の名を問う(弐)【完】

よん。 /名を問う、八岐大蛇

沖蛇さん







投げ飛ばされた時、少しだけ爪を立てられた。完全に避けきれなくて腹を掠った。


そこから止まることなく出てくる血。
思った以上に深く刺さってしまったのかも知れない。




「…宗司、腹を切られたの?」




小春ちゃんが言った。



「こんなの、掠り傷だよ」


「嘘つくの下手だなぁ。掠り傷ならそんなふらつかないで真っ直ぐ垂直に立てるぞ~?おじいちゃん?」




刀に体重を掛けている俺は、杖を付いているおじいさんに見えるらしい。


…まあ、小春ちゃんの言う通りなんだけど。




『…宗司!』




背後から声がして振り返った。

────八尋だ。




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