死なない少女は妖の名を問う(弐)【完】


ベッドから下り、まだ貰ったばっかりだった血だらけのワイシャツを脱ぎ捨てた。


あーあ…まただよ。
まーたさんちゃんに怒られるわ。


新しく着替えるのはめんどくさいので、裸のまま窓枠に寄りかかった。


窓から見える金色に光る大きな満月。目の前にあるのでは、と錯覚してしまうほどに距離が近く、大きい。


届くはずのない、満月に向かって手を伸ばした。





「こんなに近いのに…届かない。
────まるで”あなた”みたいだよね」





手を伸ばせば届きそうで、でも届かない。






──────どうしようもなく遠い。







0
  • しおりをはさむ
  • 531
  • 476
/ 402ページ
このページを編集する