死なない少女は妖の名を問う(弐)【完】

いち。 /煙草、想い、酒

■☐■






────時刻は黄昏。
もう少しで、21時になる頃。



高杉は窓の縁に腰を下ろし、煙草を吸っていた。




「慌ただしいな…、東雲」


『……高杉さん』




慌ただしく階段を降りようとした東雲に声を掛けた。東雲は何か焦っている様子だった。



『小春が、まだ帰ってきてないんです』


「知っている」


『…何故普通にしていられるのですか』




眉間にしわを寄せた東雲が言った。高杉は外を見ながら煙草を吸っている。




「神楽は帰ってくる、心配することは無い」


『…門限を、とうに超えてるんですよ』


「神楽に約束事など無意味だろう」


『そう言う事では無く────…‼』



「東雲、」





高杉は咥えていた煙草を灰皿に押し付けた。


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