漆黒の白雪姫【上】【完】

5 /大瀧組

弥生side

あの後、煌河と執務室を出ると、くつくつと笑いながら桐斗がやって来て、私を挟んで歩き出した

後ろでは甲斐さんとサオリが笑っている

そして、玄関までの道のりを5人で歩いていると、刺さる様に私らを見る奴らや、コソコソ隠れて見てる奴らもいる


はぁと溜息を、零しつつ到着した玄関

今日は、堂々と正面から出る

その理由は…


「そう言えば最近、女豹は姿を表さないですね」


女豹事、大瀧家末娘

桐斗のストーカーのこの女は

「ああ。今日のパーティーで桐斗を落とすとか豪語して、この1週間、エステやらなんやらに通いつめてるよ」

私がそう言うと、眉間に皺が寄る桐斗

「…中身が悪ぃのに、外ズラだけ飾っても意味ねぇだろ

チッ。甘く見られてんな、俺は」


不機嫌にそう、言った桐斗に思わず苦笑する


「まぁ…その外見も作り物ですし

いくら外を良く見せても、中身があれでは台無しですね」

「あら?やっぱりいじってるの?あの子」

「はい。

目から始まり、鼻と輪郭、唇に豊胸…
元の容姿は1番狸に似てますから」


女豹は、金を注ぎ込み整形を繰り返して来た

重めの一目を二重にしたことから始まり、鼻、輪郭、唇へのシリコン注射、そしてBからEへのサイズアップさせた豊胸手術


大瀧を調べていて、昔の顔は狸にそっくりだったのに、今やその面影はあまり残っていない


「…よく調べたわね」

「そりゃあ、仕事ですから」

「てか、さっきから狐や狸や豹って…
動物園でも開くのかしら?」



ここ最近、私らがそう呼ぶから、他の奴らもそう呼び始めた大瀧家の呼び名


「ちなみに長男は何なのよ?」

「んーまだ決めてないんだよな」

「あ?んな奴ボンクラでいい

他の奴らも、いちいちんな名前付ける必要ねぇだろ

動物に失礼だ」


…一番ひでぇよこの人

靴を履きながらそう言った桐斗に思わず笑ってしまった


そして、私も黒い少し低めのピンヒールを履き、外へ出た


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