漆黒の白雪姫【上】【完】

5 /試合開始

「甲斐」

「はい」

桐斗の呼び掛けにすぐ反応してやってきた、甲斐さん

「ミヤの着替えの用意を
それと部屋を取れ。…このまま帰ると体に障る」


ゆっくり私に近寄り、そっと私の濡れる髪を耳に掛けた桐斗

その発言と行動に女共は目を見開き、ざわめく


「あ?別に平気だ
こんくらいで風邪ひく程、私はヤワじゃねぇよ」

そう桐斗を見上げて言うと


「手配は既に済んでおりますので…ミヤ様?」


ニッコリと微笑む、ドス黒い笑顔の甲斐さん
…あーこの人は煌河と同じく、敵に回しちゃいけないタイプだった


「チッ」

私は舌打ちを落とし、視線を逸らす
すると桐斗は、クスリと笑い頬にその大きく冷たい手を添えた


「…さて




この馬鹿共はどうしようか」


その桐斗の漆黒の瞳はとても冷たい

普通の人間なら怯えてしまうだろう


…だが、生憎私は普通じゃねぇ




私は桐斗の頬にすっと右手を当てた



「…いいじゃねぇの。その瞳


…ゾクゾクする」



私の行動と言葉、そして表情に少し目を見開く桐斗

すると


「…それはこっちのセリフだ


…今すぐ食っちまいてぇ位、どす黒く染まってやがるな」



満足そうにその冷たい漆黒の瞳に私を映したまま、私の頬を撫で、そのまま冷たく長い指は私の唇を触る






その桐斗の漆黒の瞳には…






目は真っ黒な闇


そして



口元が上がり表情豊かに微笑んでいる



残忍な私が映っていた




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