漆黒の白雪姫【上】【完】

6 /めんどくさい

煌河side

「…そうですか。分かりました
弥生も喜びます。ええ。明日伝えておきます。では」

屋敷へ帰る途中の車内で私の携帯が鳴った
電話の主の要件は、しっかりと確保して連れて来たから問題無いとの事


「…桔平か?」

隣で長い足を組み、流し目で私を見る桐斗さん


「ええ。彼はおさらば出来たそうです

これからは、彼の身が危険ですからね
弥生が認めた以上、全力でサポートすると言ってましたよ」

「…そうか」


私の腕の中で眠る、綺麗な白雪姫

そんな彼女を、優しい眼差しで見つめる桐斗さんは、その美しい黒髪を掬い口付ける動作はとても色っぽい

私もその白い頬を優しく撫でる

ここ最近、徹夜続きで満足に睡眠が取れていない弥生は恐らく朝まで起きないでしょうね


その可愛らしい寝顔を見つめていると、いつの間にか屋敷へ着いて居た


「「「お帰りなせぇ」」」

「…ああ

…チッ」


私が弥生を抱きかかえている為、甲斐さんが桐斗さんの扉を開けると見張りの組員たちが挨拶をする


そして



「…飽きませんねぇ。本当に」

「ウザくて仕方ねぇ
いっその事鉛玉ぶち込んじまうか」

「…貴方が言うと冗談には聞こえませんね」


相当面倒臭いあの女…
大瀧麗奈は、今日も屋敷の近くに車を止めて監視を続けているらしい


屋敷の門扉を開ける際、大瀧の車を発見し桐斗さんの機嫌が最上級に悪くなったのは言うまでもない







そして屋敷へ入ると


「私は弥生を寝かしてから参りますので」

今日の仕事報告をしようと思ったら

「…いや、俺も行く
緊急な物がないなら今日の報告はいらん

お前も疲れているだろうからな」

そう言って私の前を歩く桐斗さんに呆然としてしまった


…化粧や血を拭き取り、着替えもさせないといけないのですが

「…何してんだ。行くぞ」

「はっ」


弥生の肌を他の男性に見られなくなどないのですが…

それは弥生もでしょう


肩の黒龍の墨

幼い頃からの古傷




そして








父親からの火傷の跡





傷だらけの弥生の美しさを、独り占め出来ないとは…少々残念ですが


そう思いながら、組員にお湯とタオルを頼み弥生の部屋へと向かった











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