漆黒の白雪姫【上】【完】

7 /龍神VS鳳凰

桐斗side

目の前には、蒼い瞳を闇に染めた弥生

誰かに千切られたのか、羽織っているパーカーのチャックは壊れ、シャツのボタンも取れていた


その隙間から見える、数々の古傷
白い肌に映えるその傷は、俺にとってはとても艶っぽい


今すぐ襲いかかりたい衝動に陥る俺
あれから、弥生に会うまで女を嫌っていたせいか、そこまで性欲に関して全くという感じだった俺が…


…俺も健全な男、だってことだな?




能無しの片割れの兄貴に、真実を告げ辛かった過去をフラッシュバックさせた弥生は





妖艶に微笑み、俺を…いや


闇に落ちた者の目を全て奪っている




普通なら、その殺気と冷たい微笑みに顔を青ざめ後ずさるが




俺や、甲斐、煌河に桔平達、弥生に助けられた者、闇に魅せられた者は弥生がより美しく映える時を分かっている



俺はゆっくり弥生に近寄る


弥生はその冷たい目で俺を見ている



…あぁ。たまんねぇ






カツンカツン…




倉庫に響くのは俺の靴音



誰も俺を止めやしねぇ






…いや?止められる筈がねぇ





今俺の側には誰も寄れねぇ












…俺の邪魔したら、ぶっ殺す






「…いい目だ



綺麗だ、弥生」






呆然と突っ立っている音無の餓鬼の横を通り、弥生の前で止まる



弥生は冷たく笑う
それにまたゾクゾクと得体の知れない感情が湧き上がる



そんな弥生にフッと笑うと、俺は弥生の顎を持ち上げ



「…んっ」




その冷たい唇を奪った






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