漆黒の白雪姫【上】【完】

??side

ここはある老舗料亭

綺麗な枯山水に鹿威し
落ち着いたこの料亭の離れに、年齢より幼く見える少女と、中年ながらもそう見えない威厳のある男がいた



「…本当に結婚出来るんですか?」



震える手をぎゅっと握り締めながら、少女は男に聞く


「…ああ。
だがまだ奴は17だからな。
結婚は来年になるが、婚約者としてあの娘から奴の隣は奪う事は出来るぞ?」


「…」

「…だが」

無言の少女に、男は続ける


「奴は本気で婚約解消を考えている
九条と共に動き始めてるからな

終いには一条から籍を抜きたいと言い出した」


「っっ!!?」


男の話に少女は目を見開いた


「そんなっ!!

何の為に嫌いなあの女の側にいて、好きでもない男の側にいたと思っているんですかっ!?



私はっ


煌河様だけをずっとお慕いして来たのにっ」



少女は机を叩いて、興奮して声を荒げると男はそれを制する


「心配するな

俺は奴を一条から出したりはしねぇ

あいつの一番の弱みはあの娘

…しかも皇夜もあの娘にご執心で困っておる

確かに使えるんだが、どうも俺とは合わんくて好かんな

あの娘とは長く居すぎた
少し時間をおけば奴も目が覚めるだろう

お前のが余程気だても良くいい女だ


















マユ」



少女にニヤリと笑い、そう言った男に少女…マユは口角を上げた


「当たり前でしょう?義父様

あんなガサツで男勝りで血生臭い女より、清楚でおとなしい私のがお似合いですから」


それを聞くと男はくくくと笑う


「…しかしお前も怖い女だ

親友に裏切られ、相棒に捨てられたあの娘の絶望に満ちた顔が早く見てぇな」

「あら?義父様よりはマシですわ」

「…くくくっ

さて、そろそろあの娘の図太い神経をへし折って来てくれるか?」

「ええ。喜んで」





そう言って笑あう2人



だが男の期待は裏切られる事になる



その娘ーーーー弥生によって






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