君のトリコ

第一章 /紺碧の瞳



そよぐ風。窓から入ってきた風に乗ってカーテンが心地よさそうに揺れる。



蝉の鳴き声が騒がしい外とは別世界のように静かなこの教室。


熱気と、笑い声が飛び交う学校にこんな場所があるなんて知らなかった。



人の手なんかに侵食されてないような純白な教室。


澄みきった、透明な空気。


スッと喉を通っていく。


呼吸が楽だ。



先生に運んでおいてと頼まれた授業で資料として使った数冊の本を傷一つない長机の上に置いて、窓から外を覗く。



蒼い空に伸びる、クレヨンで引いたような線。


それに沿うようにら2羽の鳥が弧を描きながら飛んでいる。



自由、だな。



どこにでも飛んでいけそうな、強い強い羽根。


真っ直ぐと前だけを見る瞳。



羨ましい、なんて鳥に抱く感情なのだろうか。





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