【完結】にゃんだふる恋愛主義

第二章 /初めての訪問



―――……



「―――」



翌日、授業中。


数学の方程式の並ぶ黒板を前に

あたしは大きな口を開く。


退屈しつつ眠気に侵されて船をこぐあたしに

数学教師は呆れたように息を吐いた。



「美崎……頼むから、せめて口元隠せ」



そう困った笑顔を見せる彼に

窓際、頬杖のままちらりと目を向ける。


それからもう一度窓の向こうに目を走らせて

あたしは何も言わずに机に顔を伏せた。

「……はいはい、おやすみなさーい」



陽だまりの午後。


睡魔と闘おうとすらしないあたしに

彼は諦めの様子。


口で一応咎めるみたいな言葉、弱く口にするけど


ここへ来て、一週間ほど。

本気で起こしに掛かったりしなくなったのは


きっと

諦め半分、同情半分。

そんなところだろう。


薄れる意識の中。

ぼんやり思考を巡らせた、その時。

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