【完結】にゃんだふる恋愛主義




「ちゅー、するだけだから」



―――ぎしっともう一度。

ベッドが軋む音が、大きな部屋に寂しく響く。


じれったい沈黙の、一瞬後。



彼の薄い唇が

あたしのそれを塞いだ。



「……んっ」



―――夕刻過ぎの部屋の中。


漏れた声に笑う彼は

あたしを腕の中、閉じ込めるけれど。



「みぃ、可愛い」



そう呟く瞳、相変わらず綺麗なままで


それは、“男”ではなく

自身の猫を愛でる飼い主のようだった。




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