Tokyo Lovers Metro

駅からシンさんの家に向かう。

この道を前に通った時は、笑い合ってたのに……


結局、ディズニーランドに行くことはなかった。



インターホンを押すと、中からカチャリとドアが開いてラフな格好のシンさんが出てきた。

しばらくこの彫刻のように整った顔を見ていなかったと気付く。


「あの、こんばんは…」

挨拶がぎこちなくなる。


「どうぞ」

冷たい響きだった。

シンさんのこんな声、これまで聞いたことがない…

足が固まって、玄関から動けなかった。


もしかしたら、会いに来たことは間違いだったのかもしれない…

でもちゃんと言わなきゃ…


シンさんは先に部屋の中に入ってしまった。

私は震える足を一歩踏み出した。

中に入るとオシャレなインテリアの中に美味しそうな匂いがしていた。

「シチュー作ったんだ。食べるでしょ?」


シンさんはすでにキッチンでシチューをお皿についでいるところだった。


「いえ。今日は私…」

「はい。運んで」

「あの。私、食事は…」

シンさんはテーブルにお皿を置いていく。

「こっちがマホの分」

淡々と並べられていくお皿に何も言えないまま、シンさんとテーブルを挟んで座った。


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