貴方ノ隣 Ⅰ 【完】

Ⅺ≫家族











「用事、なんだったの?」
「あぁ、ちょっと、…仕事のこと…」

聞くと、琉衣は答えにくそうに言った。

「…忙しいの?」
「あぁ、最近は跡取りの事でごたごたしてる」


やっぱり、琉衣は気にしてるみたいだ。
でもきっと「気にしないで」なんて言ったところで意味はないと思う。

――…琉衣は、そういう人だから。




「……それで、……」
「なあに?」

「一回ウチに来てほしい」
「…え?」


「酷だと思う。  
 俺だってホントは連れていきたくねぇ…けど…」


「行くっ!」






「……は?  まじで?」



「まじっ! 行ってもいいの?」
「いや、…いいけど。大歓迎だけど。 …大丈夫か?」

「うん。だって琉衣のお家でしょ?
 怖い事なんてないよ」


笑うと、琉衣もフッと笑って私の頭を撫でる。


「…さんきゅ」



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