Crazy Heart Again③(完)

第十二幕:女走り屋の立場 /裏の裏の真実




◆  ◆  ◆  ◆




「こんにちはー、朝見サン」



目の前で満面の笑みを浮かべる赤茶髪の男は、異様に上機嫌だった。

そのマヌケな笑みに苛立ちを感じつつも、



「……あたし的に今は夜だと思うけど?」



と返すと、彼はクツクツ笑いながら“そうだね”って──余裕綽々(しゃくしゃく)。





「てか、用件は? どうせ謝罪とか嘘でしょ。あたしこれでも暇じゃないんだけど」


「あは、気付いちゃってたか。ごめんねー、嘘ついて。でも、どうしてもアナタに会いたくてさ」


「どういう意味?」



嘘をついていたのは予想通りだから無視して。

それでも、特に攻撃的ではない桜木炎治に問うと、彼はニヤリと笑う。





ゾクリ。

今までの笑みと変わっただけで、背筋に悪寒が走る。



0
  • しおりをはさむ
  • 38
  • 3343
/ 446ページ
このページを編集する