Help (完)

第三幕:命令だらけの再会 /冷たい命令




────大通りで黒い車に押し込まれ、あの部屋に連れていかれた。前に私が衛藤さんに連れて来られた部屋だ。

どうしてこんな事になったか分からず狼に何度か問おうとしたけど、その度に睨まれて出来なかった。





赤いソファーに投げるように乱雑におろされ、揺らめく赤い瞳を見上げる。



相変わらず狼は美しい。約1か月ぶりに見るって言うのに、記憶のままの姿だった。

サラサラの黒髪も、陶器のように白くスベスベな肌も。



特に、赤い瞳が美しい。

初めて明るい所で見るその瞳は想像よりも鮮やかな、原色に近いような燃えんばかりの赤で、おもわずため息を吐きたくなるほどだ。

もちろんその他のパーツも全てがあまりにも美しすぎて、逆にこわくなるほど。




人間とは思えない美しさの男に見下ろされ、ゴクリと唾を飲む。




「……あの、」


「しゃべるな」




ぴしゃりと低い声で遮られてしまい、おもわず言葉を飲む。





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