Help (完)

第四幕:『羅刹』からの逃亡 /彼等の正体




────佳那汰は、それから毎日、スイーツの差し入れをしてくれた。それ以外は誰も訪れない部屋。

佳那汰は、ここに来ている事はセツナさんには内緒にしているらしく、滞在時間は1日1時間ほど。




……佳那汰が来てくれなかったら、私はどうなっていたんだろう?

考えただけでゾッとする。






「華凛ー」




そして今日も、佳那汰はやって来た。



「華凛、アンダンテってケーキ屋知ってる?」



部屋に入ってくるなり質問してきた佳那汰に、大きく頷いた。



「うん、知ってる! 七敷町の超美味しいケーキ屋!」




答えると佳那汰は嬉しそうにニカッと笑った。つり上がった瞳が相変わらず狐みたいで、人懐っこい感じがして素敵だ。




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