Help (完)

第四幕:『羅刹』からの逃亡 /優しいのは彼だけ






────大好きな“彼”が、1度だけ私に話してくれた事がある。




「『羅刹』にだけは近づいてはいけないよ。彼等は、最恐・最強・最狂と言われる、恐ろしく、強く、そして狂った暴走族だ」と。

よく意味が分からなかった私に、“彼”は続けて言った。



「もしも『羅刹』に捕まったら、絶対に逃げられない。助けることも出来ない」


「『羅刹』に捕まったら、飽きるまで鎖に繋がれ、飽きられたらゴミのようにポイッと捨てられるか、殺されるか──なんにしても、まともな集団じゃない」





そう言った“彼”は大きな手のひらで優しく私の両頬を包み込むと、悲しそうな顔をして眉をさげた。





0
  • しおりをはさむ
  • 160
  • 3351
/ 333ページ
このページを編集する