Help (完)

第六幕:マシロの罠 /『太陽』




────送るって言ってくれた狼は、ただ足早に私の3歩ほど前を歩いていた。

傍の国道は0時を越えたというのに絶えず車が流れている。



むー? なんか想像してたのと違う、かも。

なんていうかさ、漫画とか小説だとボスの移動は専用の黒塗りの車があったり、もしくは単車だったりするじゃん。


しかし、天下の『羅刹』さんは徒歩なんですね。




いや、まぁ、そうか。

だって節南さん18って言ってたし、普通に考えて高級な車ってのがおかしいわけで。




うん、これが正しい。

ひとり納得した私はポケットに両手をつっこんで彼を追う。




って。



「節南さん、そっち道違いますよ」


脇道にそれていこうとする彼を呼び止める。

私の家はまだまだまっすぐなんだよね。この国道は、時期に七敷町を抜けて私の住む町に続いている。

だからこの道をたどるだけでほぼ家に帰れるようなものなのに何で脇道に行くんだ。



彼は私の声に反応して振り返ると、静かに口を開いた。




「国道だと車の音うるさいだろ。裏道から行くぞ」


「えー」


「文句言うなら1人で帰れ」


「うん、分かった」



素直に頷いて歩きだそうとした私の腕を、彼が強く掴む。

足を止めると無表情の彼が私を見下ろしていた。




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