Help (完)

第二幕:ないしょの決め事 /キューン!






衛藤さんの雰囲気は、特別冷たくなったってわけではなかった。何度か見た氷のような表情ではない。

ただ単にわずらわしそうな、そんな顔だ。めんどうくさそう、とも見て取れるかもしれない。




彼は重たいため息を吐くと、頭が痛そうにこめかみを押さえながら金髪の彼を見据える。





樰士ゆきじ、バッドタイミングだよ」


「へ? バッドタイミング? って、女の子!」




金髪の男が私に気づき、指差してきた。

かと思えばバタバタと駆け寄ってくるとすぐ様目の前に座り込んだ。



下から見上げてくる瞳は暖かな樹木を思わせるような茶色いもの。

くりくりのまぁるいそれがキラキラ輝いていて、まるで小学生の穢れなき瞳みたいだと思ってしまった。





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